医療法人光潤会介護老人保健施設ルーエしもつま

自宅でできる介護予防! Vol.1 介護予防は早期が重要!フレイルを予防しよう

末永く健康的に暮らすため、介護が必要となることを防ぐ「介護予防」に取り組みましょう。
今回は、より早期に介護予防を実施するために「フレイル」についてご紹介致します。

1. 介護が必要になる一歩手前の「フレイル」ってなに?

皆様は、高齢者が介護が必要となる一歩手前の「フレイル」という状態をご存知でしょうか?

フレイルとは、わかりやすく言えば「加齢により心身が老い衰えた状態」のことです。
心とからだの活力(筋力や認知機能など)を含む生活する機能が低下し、
将来介護が必要となる危険性が高い状態の事を言います。

近年、高齢者は健康な状態から介護が必要となる状態までに、
「プレフレイル」「フレイル」という中間的な段階を経ていると考えられるようになりました。


「フレイル」は、早期に適切な対策を行えば元の健常な状態に戻る可能性があります。
「フレイル」になることを防いだり進行をさせなければ、将来的に介護が必要になる可能性が減少します。

2.フレイルと判断するには? フレイルの基準

フレイルの一般的な基準は以下の5項目です。

☑ 体重減少:減らそうとしていないのに、年間4.5kgまたは5%以上体重が減る
☑ 疲れやすい:何をするのも面倒だと週に3-4日以上感じる
☑ 歩く速さが低下している
☑ 握力が弱くなっている
☑ 体を動かす機会が減り、身体活動量が低下している

このうち3項目以上該当するとフレイル、
1または2項目だけの場合にはフレイルの前段階であるプレフレイル と判断します。

該当した方や、該当しそうで不安な方は、かかりつけ医に相談しましょう。
ご自身やご家族、医療者がフレイルに早く気付き、正しく介入(治療や予防)することが大切です!


3.フレイルを予防する・進行を遅らせるには?

フレイルの予防・治療として、持病のコントロール、運動療法、栄養療法、社会参加、感染症の予防などが挙げられます。
★上の診断でフレイルとなった方は、まずはかかりつけ医と相談しながら安全に始めていきましょう。

1.持病のコントロール

糖尿病、高血圧、腎臓病、心臓病、呼吸器疾患、整形外科的疾患などの慢性疾患がある場合には、
持病のコントロールが必要です。
フレイルの筋力低下にはのちほど説明する運動療法が有効ですが、持病のコントロールがされていないと、
体を動かすという気持ちになれないこともあります。
持病をお持ちの方はまずは適切な治療を行った上、フレイル予防の運動許可を得ましょう。

2.運動療法・栄養療法


フレイルの予防には筋力を衰えさせないことが重要で、そのためには有酸素運動が有効と言われています。
1日5,000歩以上歩くことで予防効果が有るとされておりますので、健康な方はそれを目標に散歩やトレーニングジムで
歩くことを毎日の習慣にしていくと良いでしょう。


★参考:ウォーキング姿勢のポイント



すでに筋力が衰えている方は、まずは筋力をつけるための、個々のレベルに合わせた運動が必要となります。
ベッドの上で足を動かす運動、椅子に座る・立つを繰り返す運動など、無理せずできることから始めましょう。
筋力が低下している状態での無理な運動は転倒や骨折を起こす危険があります。
かかりつけ医と相談し、自身のレベルに合わせた、適切な運動を行いましょう。

また、栄養療法として、筋肉に効果のある良質なタンパク質を十分に摂取するようにします。
より効率的に筋肉をつけるために、運動療法と栄養療法は同時に行いましょう。

4.社会参加

介護予防教室や趣味の集まりなどに参加し、人との関わり、社会との接点を持つことも非常に重要です。
人と話したりコミュニケーションを取る機会が減ると、心が弱っていき、場合によってはうつ傾向となる方もいます。
感染症などで外出が懸念される状況では、テレビ電話などを使用してご家族や友人と会話をする機会を増やすことも効果的です。
※コロナウイルス感染対策のため、集まりやイベントへの参加はお住まいの地域のルールをよくご確認下さい。

5.感染症の予防




インフルエンザや肺炎などの感染症により入院→体力や筋力低下→寝たきりとなるケースも有り得ます。
そのため、感染症などで入院をしないように対策することも重要なフレイル予防と言えます。
日頃から適度な運動やバランスのよい食事などにより感染症に強い身体作りをするだけでなく、
医師とよく相談し、各種感染症予防ワクチン接種を検討しましょう。